飯豊連峰 えぶり差岳
(権内尾根=大熊尾根)
 登山記録
2007/7/8 s.k
1636m 新潟県関川村 単独 晴れ
飯豊連峰の北端「えぶり差岳」へは主稜の縦走コース、胎内からの足の松尾根、大石ダムからの権内尾根コースと大熊尾根コースがある。
ネットでの登山記録を見る限り、縦走コース・足の松尾根コースからの登山が90%。
権内尾根の登山記録が少ない上、大熊尾根に至ってはもっと少なく数えるほどしか記録が公表されていない。
飯豊を知るには大熊尾根を下りなさいとの言葉に、権内尾根を登り大熊尾根を下るコースでえぶり差岳に行って来た。

1時30分起床 
2時自宅発 
自転車は最悪後日回収と考え林道終点まで行く予定(後述の通り変更)
おそらく一日の自己最長時間の登山となるため、ガス・コッヘル・敷き物を省き荷物を軽くし、大熊尾根でビバークしてもいいようにツェルトを持つ。
食料は、水2リットル・おにぎり・ウィダーイン・トマト他。重量のある水を使うラーメンは持たない。
大石ダム 綺麗な24時間トイレ脇に駐車する。
福島nヤ2台
3時 ヘッドライトを着け自転車でスタートする。
3時20分 彫刻公園ゲートに自転車をデポ。この先の林道はジャリ道で、暗い中タイヤ径の小さい折りたたみ自転車では転倒もありうる。
登山者カードを記入する 前回者は7月1日の記載。
松本nヤ1台
長い林道を歩く、放射冷却で息が白くなる。
林道に山腹より沢水が流れ込む所が何箇所かあり、下山予定の大熊尾根コースでの沢渡渉が気に掛かる。
林道終点、群馬nヤの釣り人がテント泊中。
4時20分 橋を渡りこれより登山道となる。
4時40分 第2橋通過
ひたすら急登坂
5時50分 カモス頭(カモスカッチ) おにぎり
6時30分 権内の峰 千本峰まで900m 千本峰 前えぶり差 えぶり差岳 の絶景
7時5分 千本峰手前で トマトにかぶり付く。下界から避暑に来るというナツアカネが乱舞
7時20分 千本峰 前えぶり差まで1400m
前えぶり差の手前斜面で「ノウゴウイチゴ」が沢山成っている、猿のように食べる。
延々と直登が続きめまいがする。30歩進んでは休む。
8時40分 前えぶり差 ガスで眺望無し
9時20分 長者平 しばし散策する。飯豊に憧れ命を落とした人達の遭難碑が多い。
主稜への新しい道があるが、本道を進み残雪を渡る。
9時30分 えぶり差岳登頂 相変わらずガスで眺望無し
ここまでの花 アカモノ ゴゼンタチバナ マイヅルソウ ゴバイケイソウ ヒメサユリ イワカガミ ニッコウキスゲ
登り6時間
えぶり差小屋
大熊尾根
小屋前の空き地で軽く食事をし身支度を整える。
山開きと言うのに一人とも遭遇しない。
9時50分 えぶり差小屋をスタート 大熊尾根を下る。
10時 新六の池 まだ残雪があり、水は中国のばい煙の影響か黒く濁っている(どこの山の池も黒くなるほどばい煙が凄い)
このコースに花らしい花は無かった。
大熊尾根
二ノ峰、一ノ峰
10時30分 カリヤス平
11時10分 一杯清水 清水の水源から取水するつもりで上部を歩いてしまう。
水源は崩れた岩の中に有り、水を濁してしまい取水出来ず、登山道脇すぐの所より水を取る事。水補給せずスルー
ひたすら下りが続き、この辺りから膝に来てペースダウンする。
12時 大熊沢吊り橋 半切り丸太の橋で手すりは片側針金
12時20分 神秘的なほどのブナ林を過ぎ、大熊小屋に到着。
ここから刈り払いがしてあり有り難い。小屋手前に沢の水場あり、その先はトイレになっている。
山小屋特有の匂いがするが、中で一休みし最後のトマトを食べる。
小屋の標識に大石まで12kmと記載があり、少しばかり落胆する。
小屋を出発しすぐに2つ目の吊り橋を渡る。こちらは半丸太だが、両手すりで幾分ガッシリしている。
沢伝いに長いへつり道が続く。
刈り払いされた草で登山道が隠れて歩きにくい。足を滑らせれば谷底
水を取れる沢が多数有り、ただし降雨の後は渡渉が難しくなる。
13時30分 渡渉
14時 一旦へつりを過ぎる
14時5分 渡渉
14時20分 渡渉
15時20分 雨量観測所分岐点
分岐の左手を進むが上部の「完工杭」にだまされ一旦戻り右手を行くと、こちらが雨量観測所であった。
完工杭は林道終点の印であり、林道と言う事は道も良くなるのかなと淡い期待を持つが、ここからますます難所のへつり道が続く。
絶壁を削った道を過ぎ、荘厳なブナ林の「十貫平」を通過、この先まだ延々とへつりを下る。
16時30分 赤い橋(黒手沢) 
16時40分 無意味なほど立派な滝倉橋を渡る。登山カード記載箱あり、ここより舗装道路となる。
ダムサイトのアスファルト道は疲れた足に一段と響く。
ダブルストックで30分ほど歩くとトンネルがあり、トンネルの途中地下水がシャワー状に漏れていたので、ここで手を洗い顔を拭いた。
裸になってシャワーをしてもいいが、トンネル内の照明時間は10分だけである。
「たいしたもん蛇」の出口からようやく大石ダムとなる。
17時20分 大石ダム駐車場
下り7時間30分
コースタイム
権内尾根(彫刻公園)=えぶり差岳 6時間
えぶり差岳=大熊尾根(大石ダム) 7時間30分

彫刻公園のデポした自転車を回収し、関川村の日帰り温泉「ゆ〜む」で汗を流し、ゆきん子でラーメンセットを食べて7時30分帰宅。
大熊尾根コースは確かに飯豊の深さを実感させる。
前半の強烈な下り、ようやく辿り着いた大熊小屋を過ぎれば、数々の沢を渡り延々と断崖絶壁のへつり道を行く。
トータル20kmの登山道と言うより、またぎの領域と感じる。
今回は下りで大熊コースを使ったが、降雨の後は沢渡渉は不可と思われ、最悪戻るかビバークするかであろう。
飯豊連峰えぶり差岳(権内尾根・大熊尾根)のアルバムは
こちら

ヘッポコ登山記録