飯豊本山(大日杉コース日帰り) 登山記録 2009/8/26 s.k
2105m 福島県山都町 単独 曇り
2時起床

いつもの事だが、かみさんはおにぎりさえも握ってくれない・・・
ゴオーゴオー・・・豪快に鼾をかいている。
情けない気分だが、気持ちを切り替えて自分でおにぎりを4個にぎり、リュックに投げ込む。
前回の飯豊山日帰りでは、汗による股ずれに泣かされたので、出発前に股と脇の下にウァセリンをたっぷりと塗りこむ。
見送りは愛猫の「クロ」だけだ。。にゃ〜ん

2時38分自宅発

時間短縮のため、中条インターから胎内荒川インターまで高速を使う。
深夜割引で200円
4時30分 大日杉
2時間の運転、ようやく大日杉に到着。
山形の山間部の道路は、街灯も標識も少なく、夜に走ると何処を走っているのか判らなくなる。
駐車場手前の道路中央に、一抱えもある落石があり、やっとの思いで転げて移動した。
4時40分 薄暗い中、登山スタート
登山口には「熊出没中」の立て看板が・・・ 出会いたくもあり、出会いたくもなし
5時 ザンゲ坂通過
くさりが設置されているが、しっかりと足場が切ってあり、くさりは使わずに登る。
5時24分 長之助清水
ペットボトルの水道水を清水に入れ替え、喉を潤す。
日頃から運動不足の身体も、そろそろエンジンが掛かってきた。

8時30分 御田
「おた」と読む。飯豊は信仰の山で、昔山中の湿地を田んぼに見立て、米を蒔いて豊作を祈願したそうだ。
ここには小さな石碑もあり、小銭が供されていた。
6時19分 滝切合
鍋越山への分岐。鍋越への道は廃道となってしまい、藪に消えている。

6時47分 地蔵岳
三角点は15mほど奥にある。
前後は飯豊本山小屋の東斜面を見渡せる。
地蔵岳三角点 飯豊本山小屋の東斜面
7時10分 語らいの丘
飯豊山頂にはガスが掛かっている。見晴らしのいい下界は晴れている模様。
7時35分 目洗い清水
水は十分、スルーする。
ダケカンバと登山道
8時10分 御坪
祠には剣が奉納されている。記録を調べたところ、約150年前のものらしい。
この辺りはヒメサユリが咲くところで、今はもう咲き終わり実を付けている。
実には、猿の食害と思われる跡がいくつもある。
ここの猿は花を食べると聞いていたが、子孫繁栄の大事な種の入った実も食べるようだ。

高山植物がポツポツと姿を現す。

8時53分 沢水場
このコースは要所要所に水場があり、ペットボトル1本で登ってこれる。
ここで汗をかいた頭を洗う。

水場の先はお花畑となっていて、青い小さなリンドウを見つけ写真を何枚も撮った。
イイデリンドウではなく、ミヤマリンドウであった。
切合小屋の先にもあったが、やはりミヤマリンドウであった。
9時20分 切合小屋
稜線に出たこの辺りから、ポツポツと登山者とすれ違う。
それにしても、平日の飯豊は快適だ。
9時54分 草履塚
御西岳、大日岳の絶景を望みながら一休み。
風が強く、寒いくらいだ。
10時15分 姥権現
女人禁制と言われた時代、飯豊山参りで行方知れずになった息子を探しに、山に入った母親が山の神の怒りに触れ、石にされたとか。
迷信だろうが、この手の話しは光兎山にもあり、女を山に入らせないための戒めなのだろう。
手を合わせ、身体を壊している友達の健康を祈願する。
10時26分 御秘所
「おひそ」
昔、岩場の左右は断崖絶壁になっていて、楽をして通過しようと考える者は、下部を通ろうとして多くが転落し命を落としたらしい。
「無間地獄」へ通じ、神隠しと言われた。
剣ケ峰よりは容易いが、高所恐怖症の僕は何度登っても怖い。下を見ないようにして通過。
本山小屋まで、砂と岩と石のガレ場が続く。
登山道脇は、行く夏を惜しむように高山植物のマツムシソウなどが咲いている。

信仰登山が盛んだった頃、ご神体を奉っていた石塚を目指しもう一登り。
本山小屋だ
11時15分 飯豊本山小屋
お賽銭をあげ、飯豊神社で友達の健康を祈る。
リュックをデポし、食料とカメラだけを持って駆け足で本山へ向かう。
11時33分 飯豊本山山頂
歓喜の中、まずは友達の健康祈願。
祠の後ろに陣取り、誰も居ない山頂で食事しながら飯豊の空気を感じる。
日本海からの空気が冷やされ、雲(ガス)が湧き上がり、辺り一面を通り過ぎていく。
大日岳の一部と烏帽子岳が見えた。
半袖では肌寒く、気温は12度くらいか・・早々に小屋へ戻る。
11時48分 下山開始
小屋番にオコジョの情報を聞いてみたところ、今年は3回しか見てないとの事。
やはり本山近辺をテリトリーにしているオコジョは、ほとんど居ないのではないだろうか。
小動物を獲物にする肉食であるがため、登山者の少なくなる駒形山以西が生息地と思われる。
今回は日帰りでもあり、諦めることとした。
13時 姥権現
膝が痛み出す。
ホシガラスか、写真は撮れなかったが全体が黒に覆われて、尾羽の先端だけが白くなっている。
今まで見たことのない鳥だった。

13時18分 草履塚
膝の具合は、下りでグリグリと関節痛が激しい。
登りは何とか登れるものの、こんな所から痛み出したのでは、長い下りこの先が恐ろしい。
早めに食塩を舐め、痛みを軽減する。

13時59分 切合小屋
小屋前の水場で身体を洗っていた年配の方に、今日は何処から来たかと尋ねられ、大日杉から本山日帰りでと答えても、こんな時間にここでと?理解してもらえなかった。
説明するのも面倒なので、そのまま通過する。

14時13分 沢水場
切合小屋の水源にもなっている。水量が豊富で、ありがたい沢だ。

14時49分 御坪

15時47分 語らいの丘

16時19分 地蔵岳
この辺りで、膝の痛みは限界・・

16時44分 滝切合
下りが異常に長く感じる・・

17時28分 御田
カニ歩きとなり、終いには後ろ向き歩行・・・
後ろ向きで下山しているなんて、他の人が見たら何て思うだろう。
幸いにも、切合小屋から先は誰にも会わない。

17時38分 長之助清水
一度、登山道から足を踏み外し、真正面から勢い良く倒れてしまった。
幸い膝を軽く打っただけで、怪我はない。気を引き締め歩き出す。

17時59分 ザンゲ坂
カニの横歩き、がに股歩き、背面歩行を駆使。
ここまで来てようやく安堵。

18時20分 登山口下山
何とかヘッデンを使わずに、薄暗いなか下山となった。
帰路、林道でカモシカの子供と出くわす。

白川温泉(400円)で汗を流し、アイスクリームとアクエリアスで精気を取り戻す。

坂町のどさんこで、味噌ラーメンを頂きながらおにぎりをほおばり、エネルギーを補給する。

21時30分 帰宅

車移動行き 2時間
 
登り 6時間30分

下り 6時間30分

車移動帰り 2時間(休憩含まず)

日頃、なんの運動もせずディスワークだけの生活を送っている。
こんな鈍った身体で、いきなりの飯豊日帰りはかなりの無理がある。
いつも山を下りてから、今後はトレーニングして身体を鍛えてから登ろう、と思うのだが中々実行できないものだ。
帰宅後、体脂肪率は5ポイント落ちていた。

飯豊山、遊んでくれてありがとう!

☆☆☆ 今回出会った 飯豊の花たち ☆☆☆
オヤマリンドウ
ウメバチソウ
コゴメグサ
アカモノの実
オオカメノキの赤い実(小さな秋です)
タカネマツムシソウ
タテヤマウツボグサ
チングルマの実
不明
イワショウブ?
ミヤマリンドウ  
ナンブタカネアザミと蜜蜂
ミヤマコウゾリナ
ウサギギク
ヤマハハコ
ハクサンチドリ
ハクサンフウロ
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