飯豊本山(大日杉コース) 登山記録 2010.7.18 s.k
2105m 福島県山都町 単独 曇り
海の日の連休、僕にとっては数少なく貴重な連休です。
一年に一度、普段の登山とは違った体力の限界に挑戦する日がやってきました。

天候は曇り。梅雨も明け、絶好の山日和となりました。

2時40分 起床
     予定より40分の寝坊。

3時10分 自宅出発
     無料高速道路を走り国道113号線へ、山形に入ると濃霧となり視界が利かない。
     寝坊した時間を取り戻そうと、早朝の国道へスピード超過で走る。

4時45分 大日杉到着
     普通なら2時間掛かる所を1時間35分で到着。

5時   登山開始
     大日杉小屋が、夜明けの透き通った空気に中にたたずんでいる。

5時15分 ざんげ坂(鎖場)
     山ガール1名 前日の豪雨の中、石転沢を登ったが雪渓手前で引き返してきたそうだ。本日は本山泊まり。
山ガール3名 女性だけで登られているとついつい声を掛けてしまう。こちらの方々も本山一泊。

     山陰から朝日が昇り始めた。

5時30分 長之助清水

     下山時に使用した。問題なく使える。

5時40分 御田
飯豊は信仰の山。ぬかるみを田んぼに例え、米を撒いて豊年豊作を祈ったそうだ。
     合掌 

6時30分 滝切合
     ここからは目前の「地蔵岳」その奥に「飯豊本山西斜面」の雄姿が望める。
     親子連れ、夫婦連れの2組を追い越す。

6時59分 地蔵岳(分岐)分岐から山頂はすぐそこだが、寄らずに一休みして前へ進みむ。

7時18分 語らいの丘

8時12分 御坪
     この付近はヒメサユリの多いところだが、刈り払いが行われ今年は全体に少ない。
     早々とマツムシソウが咲いていた。

9時   水場(沢)
     水場全体が残雪で埋まっていた。残雪を登り、上部の沢から水を取る。
     その付近は「ハクサンコザクラ」や「イワカガミ」が群生していて、残雪の無いいつもの年なら見ることのない所だけに、いい花園が見れた。
     冷たい水で喉を潤し汗を洗い花の写真を撮って、登山道へ戻る。

9時21分 切合小屋
     泊まり客だろうか、まだ食事をとりのんびりと山支度をしている登山者の様子。
     この時間でまだ小屋に居ると言うことは、前夜は賑やかな宴会だったのだろう。
     小屋番さんとお話ししたところ、前日の豪雨は物凄く小屋の中で煮炊きしたとの事であった。
     身動きできなければ、こりゃ呑むしかない・・

     小屋番さんは「いらっしゃい」と印刷されたエプロンが目印。

ここからは稜線歩きとなり、爽やかな風にあおられ山の景色を眺めて快調に進む。

9時58分 草履塚
     御西方向の眺望が素晴らしい。
    「お鏡」は、まだまだ残雪が多く、独立していない。

女人禁制を破り、行方不明となった息子を探しに飯豊に入った母が、山の神に「石」にされたと言う「姥権現」を通過。
    (この手の言い伝えは各所にある)
    切り立った岩場の「御秘所」(おひそ)を慎重に通過する。間違っても東側を通過しないように、それと上部では立って景色を見ないように(危険)

11時12分 本山小屋
     最後、御前坂を一気に登ると本山小屋だ。
     小屋手前の右手を下ると水場があり、水量は少ないが冷たくて最高の水が飲める。
     飯豊神社が祭られており、夏場は巫女さん神主さんが常駐する。
     お賽銭をあげ祈願する。

11時28分 飯豊本山山頂
     
     本山までの道中に「イイデリンドウ」が咲いていた。
     イイデリンドウは飯豊連峰にしかない希少種・固有種だ。
     内側の花弁の様子が違う所を見て欲しい。 

     山頂に立ち、今年もここへ来ることが出来た喜びで胸が一杯になる。   
     山頂では福島の方と雑談、若い方は川入から入り5時間との事。若いってエネルギッシュで何でもできる、それだけで素晴らしいと思う。
     もう一方ともアルプスのお話など、山談義を聞かせてもらった。

     20分ほど山頂で休み、「ほんじゃ家に帰っとすっか!!3人で大笑い」山には似つかわしくない掛け声で腰を上げ、本山を後にした。

11時48分 下山開始
     再び、山ガール1名。前夜、三国小屋に泊まり本山を往復、今日は川入に下りるとの事。
     しばらく立ち話しをして、「ほんじゃお先に!気をつけて下ってください」と別れる。
     駆け足で下る後方から「はやーい!」と声が聞こえた。

13時12分 切合小屋
     小屋番さんに、小屋直下の雪渓御沢コースはアイゼン無しでも行けるか尋ねと、外に出てて雪渓を見下ろし「雪渓は薄くなっているけど、どうかな〜〜」と曖昧な返事。
     この手の質問は一番困ることと思いう。質問者の経験・技術の程度が判らないし、沢下りの雪渓は基本的に危険。

     御沢の雪渓を下りる。
     夏道から雪渓に入ると方向が全く判らない。
     左手の雪渓を下りたが、下部の沢が急で危なっかしい。
     急斜面の雪渓を右手に横断して、広い方の雪渓に乗る。
     危険な箇所を過ぎて見上げてみると、最初から右手に進むといい様子が判った。


     雪渓歩き 25分 
     冷蔵庫の様な冷気の中、とても気持ちのいい雪渓下りだ。
     上部と下部だけは急斜面のため、軽アイゼンが欲しい所。

     トレースもほんど無く、夏道への上り口は雪渓に気を取られていると見逃してしまう。
     今回は「赤テープ」が目印となり、迷うことなく夏道に上がれた。
     残雪の切れ間には「水芭蕉」が群生していた。
     株は大きくないが、沢山有る様は見事だ。

13時44分 本道と御沢コースとの分岐

13時51分 御坪

14時49分 語らいの丘

15時21分 地蔵岳

15時44分 滝切合

16時28分 御田
     下り終盤ではほとんど人と会わず、地蔵岳から御田まで非常に長く感じる。

16時34分 長之助清水
     水分補給

16時54分 ざんげ坂

17時10分 大日杉口下山

     今年も修行の山行をやり遂げた。
     感激

     年々衰える体力を感じて、来年は来れるか不安も有る。

登り 6時間30分
下り 5時間30分
  (山頂休憩含まず、12時間)


白川温泉(400円)で汗を流し、20時帰宅。



大日杉小屋 ざんげ坂(鎖場)
朝日が昇り始めた 「地蔵岳」その奥に「飯豊本山西斜面」
ヒメサユリ 飯豊本山西斜面
ニッコウキスゲと飯豊本山西斜面 御坪の祠
魚沼三山 中ノ岳・越後駒ケ岳・八海山 ハクサンコザクラ
水場(沢)の落ち口、足を滑らせたら一巻の終わり ミヤマリンドウ
ミヤマキンポウゲ 稜線から御西方面
本山小屋 イイデリンドウ
イイデリンドウ(携帯で撮ったもの、色合いが変わる) イイデリンドウ
イワギキョウ 本山山頂
稜線から「御西のお鏡」 御沢(雪渓降り口直下)
御沢下部方向 御沢中部より上方向
御沢下部より上方向 御沢 雪渓終点
御沢の水芭蕉 御沢 夏道への登リ口(ただし夏場の御沢は通行禁止)
御沢全景(中央の沢が御沢)
 
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