日本平山  1081m

20111023    天候 曇りのち雨

新潟県五泉市

メンバー  A(S)、へっぽこ

 

今日はマイコミュのランチオフ会の計画を立てていましが、人数がまとまらずあえなく中止。

天気予報は寒冷前線が南下してお昼前からは雨の予報。

オフ会の中止を決めてから、久しぶりにAさんを誘ってお昼までには下山の予定で「日本平山」へ行ってきました。

いつもの様に遠足気分で眠れない夜を過ごして、午前3時に自宅を出発。

4時に待ち合わせ場所へ到着、登山口のある早出川ダムへは5時前に着きましたが、ダムまでの林道は工事をやっていて1.1km手前で午前730分から午後5時まで通行止め。

山奥の夜明けは遅く、515分まで車中で時間を潰してから薄暗い中の出発です。

550分 早出川ダム

PA230001.JPG

 

ダムサイトのへつり道は土砂崩れの跡が数か所に、一度は至近距離で頭上から落石があり危機一髪。

そしてほとんど標高を稼いでない平坦な山道を、一歩足の置き場を間違えば滑落の危険だらけのへつりを延々と歩いて沢渡渉地点に到着。

PA230003.JPG

 

しかし、この渡渉地点到着報告は結果であり・・

沢に下りる手前今まで歩いてきた右岸には尾根上部に向かってロープが伸びていたため、そのロープに沿って上部を目指したのでした。

これが大きな判断ミス。

コースだと見誤った道は地滑り状になっていて足場が全くないので、右手の藪に入りブッシュを掴んで登りロープの上部へ出ました。

そこで身体を安定させ、周りを見渡しましたが目の届く範囲に登山道はありませんでした。

斜め前方に目を凝らすと人が入ったような痕が・・・ しかしこれは後から考えると獣道。

行き場が無くなりそうだがもう少し上がれば登山道が有るだろうと、Aさんを足場の安定したところに待機させて、僕は更にブッシュの急斜面をよじ登り少し周りの見える岩の上から道を探しましたが希望は断たれ、斜度は増しすでに僕らは下りるのも困難な地点まで来ていました。

 

大声で「撤退!!」を宣言しました。

 

しかしこの下りで足を滑らせたら数十メートル下の沢へ落ちてしまう状況です。

再度僕が先行して、「ゆっくりゆっくり、木をつかんで!」と声を掛けながら何度も息を整えて・・

本気で「遭難」の言葉を意識したのはこれが初めてです。遭難どころじゃない・・ 滑落死です。

下る方向が判らなくなったのでまたAさんを待機させ、下りる地点を探しました。

下部にようやく通ってきた道らしきものを見つけて、その方向にAさんを誘導。

ロープも見つけて一人ずつ、ロープ伝いに無事登山道に戻ることができました。

 

沢に下りた時点で、僕は精根尽き果て・・ 

 

Aさんはどんな気持ちだったんだろう。未だにその時の気持ちは確認していません。

飲んだ時にでも聞いてみたいなぁ「もう、こんな頼りない人には着いて行けない」とか ()

沢に下りて気を落ち着かせ初めてザックから地図を出して見ると、沢を渡渉して対岸へ渡る事になっているじゃないですか。

そして対岸へ目をやると、急斜面に梯子が取り付けてありしっかりとした登山道がちゃんとありました。

二人は苦笑いするしかありません。

 

710分 沢を渡渉

PA230005.JPG

 

梯子を登りこの先はもう土砂崩れも無く迷うことはないはっきりとした登山道が続き、沢まではほとんど標高が上がってない分きつい登りの連続です。

空模様は9時くらいから雨が本降りとなってきて、上へ行けば行くほど雨脚が強くなりました。

「トコヤ」と呼ばれる草木の茂らない丘を過ぎて、しばらく緩やかに下りその先を一気に下ると、ブナの木々の隙間から前方に三角のはっきりしたピークが見えました。

そこを山頂と信じ息も絶え絶えに登りました。屈強なAさんも苦しそうです・・・

PA230007.JPG

 

1010分 山頂手前ピーク「ガンガ」(ここが僕らの日本平山)

強い雨の中、休むこともできずこの山行はここまでです。

Aさんも「もういいよ・・」って小さい声で。

山頂の印は無いかと雨の中に前かがみで立つAさんに、僕からは申し訳ない気持ちでいっぱいです。

ここまで登り5時間。

(この日記を書きながら地図で確認すると本当の山頂は雨雲に隠れていたようです)

PA230008.JPG

 

雨が降ったり止んだりの中、あとは一気に下ります。

1220分 足を置く石が増水で水流の中になった沢を渡渉。

へつり道になり雨も止む時が多くなり、休める広ろさのガレ場で二度目の食事をしました。

メロンや漬物の差し入れを頂いて食事をしている最中に・・ そう「山ビル」・・・ ズボンの裾に着いていたのです。

僕の左足ふくらはぎもチクっとしてズボンをめくってみると、ヒルがぺっとりとお食事中。

この時点でお互いの身を確認し合い、二人のズボンに合計5匹が着いていました。

こんな所には長居はできません。

PA230010.JPG

PA230014.JPG

 

休みも取らず、早足で下山しようやくダムに到着です。

 

1350分 早出川ダム

 

下り3時間30

 

歩行中も何匹もヒルを払ったのに、車に着いて着替えると僕は2箇所、Aさんも3箇所やられていました。

目で見たのは20匹くらい、「さくらんど温泉」で汗を流したのですが、よくよく身体をチェックしたところAさんは7箇所、僕は3箇所やられていました。

それに加え血が止まりません。

食事をしてエネルギー補給もして、今回は予定より大幅に遅れてしまったので休みもそこそこにして帰路に着きました。

帰宅して山具を片づけながら家族に土産話をすると、速効「そのままで洗濯機に入れないで!!」って。

服やリュックを全て手で洗ってから洗濯機へ、かみさんの気持ちは判ります(ハイ)

僕の方は帰宅してからヒルは見ませんでしたが、Aさんは靴の中に1匹、洗濯を終えた靴下にはゴミのように収縮した状態のヒルが数匹。

潰したら血が出てきたそうです。

山具を外に干したAさんは、以来庭でヒルが繁殖しないか不安な日々を送ることになりました。

 

()

 

 

 

ヘッポコ登山記録