飯豊本山(日帰り)

2013/9/29 s.k

2105m  福島県

天候 晴れ 単独

                       

 

昼の時間が短いこの時期の飯豊本山日帰りは、相当の健脚者でないとキツイと思います。

9月の連休を所用で逃してしまい、本年本山に上がるとしたら今日が最後のチャンスと考えて、ヘッデンを持参で強行してきました。

日の出が530分前後、日の入りも530分前後。

スタート地点の桧山沢吊り橋は、山形県小国町の天狗平から温身平を通る林道を歩いて40分のところにあります。

今冬の大雪で、支柱ごと雪崩になぎ倒され先々週の920日にようやく復旧開通しました。

ダイグラ尾根を利用するのは3回目。過去の2回は下り1回登り1回と片道だけで今回初めての往復です。

 

天狗平駐車場は、おそらく泊り縦走の人が殆どだと思われるバスや乗用車で8割方塞がっていました。

通行禁止防護柵の一番近くが丁度1台分空いていたので、そこに停めライトの明かりを基に身支度をしてヘッデンを点灯してのスタート。

真っ暗な温身平は初めての経験です。風もなく小鳥の囀りさえなく自分の足音と沢の音しか耳に入りません。

 

林道から右手の登山道に入りすぐ、以前は草薮で通れなかった林道終点からの登山道への合流道が刈り払いされて通行できるようになっていました。

吊り橋までの沢沿いの道は、岩が崩れ足場の悪い個所もあり滑らないように注意して通過。

桧山沢吊り橋に到着するころには空が白み始めて、ヘッデン無しでも歩けるくらいになりました。

吊り橋は立派な支柱の割に、ワイヤーに単管を組み工事現場の足場板を敷いて番線で固定した物で、これが結構揺れます。

登山者しか利用しない事と再度の災害を考えた場合、これ以上ない贅沢な吊り橋だと思います。

 

吊り橋を渡るといきなりの急登。林道歩きですでに身体は温まっているけど、筋力的にキツイ登り。

こりゃ1700mの標高を稼ぐには良さげ・・・ なんて思ったのは最初の内でした。

 

長坂清水はスルーして先に進みます。

まだまだ登りが続き、上部が岩稜のあれが休場の峰か。標柱はありません。

ここからがゴジラの背中のようなアップダウンの連続、ダイグラの本場です。

折角稼いだ標高を、ピークを過ぎると半分ダウンしてしまう・・・

標高差1700mと言っても、アップダウンを考えると実質2000m以上の標高差を行く事になっていると思われます。

千本峰は枯れ木が目立つので、目安としてはいいところ。

 

ここまで2名の日帰り男性に追い越されました。

宝珠の肩では追い越された福島の男性に追いつき、しばらくの山談義。

 

岩稜の宝珠山に着くと、飯豊のたおやかな主稜線が眼前に広がりました。

ここまで来ればあとひと踏ん張り。

御前坂では、ガンコウランの実を見つけ10数粒ずつ数口ほおばると、ブルーベリーに渋みを少し加えたような甘さで美味しい。

果汁だけ味わい、種と皮は吐きだします。

 

御前坂の途中から、残雪の残る沢へと道らしきものがあります。

以前下山で通った時、ここを登り返してくる2人がいてその時は道を間違ったとの事。

水場は本山小屋を下った所が一番近いですが、耳を澄ますと水の流れる音が聞こえるこの沢は水場として使えるのか気になるところです。

機会があったら小屋番さんに聞いてみよう。

 

7時間30分を要して本山登頂。

4人の先客が思い思いにくつろいでいました。

祠に手を合わせ、記念写真を撮って御西側の平らな岩でカップヌードルのお昼ご飯としました。

30分の休憩。

 

昼寝から覚めると、山頂には誰も居ません。日帰りのため時間が押してくると下山が気になります。

 

下山はマッハ・・・ w

とは言っても、今度はダウンアップ・・ 下っているのに登っているような錯覚。

下りでの登り返しは精神的にも体力的にもダメージを受けます。

 

4時間半を掛けてようやく長坂清水に到着。急斜面をロープ伝いに下りこの尾根の唯一の清水、前回利用した時より水量は3倍くらいありました。

2リットルの水は丁度底を着き、500mlのペットボトルで冷たい清水をがぶ飲み。

 

日の暮れる時間となり、早足で下り吊り橋に到着。

沢の水で頭と顔を洗いました。

 

沢沿いの登山道で足元が見えにくくなりヘッデンを付けました。

結局終点に到着するころには辺りは真っ暗となってしまい、愛車の周囲には一台も車がありませんでした。

(手前の駐車場には合計10台ほど駐車されていました)

 

登りから下りまでの時間14時間。普段からトレーニングして掛からないと一筋縄では行かないダイグラ尾根。

今年は登山道の刈り払いをされたようで、全体に登山道は明瞭でした。小国山岳会関係者の活発な活動には頭が下がります。

次回は日の長い時期に、御西小屋での泊まりで利用したいものです。

 

 

418分 暗闇の温身平林道へ

5     桧山沢吊り橋

613分 長坂清水

7     休場の峰

751分 千本峰

925分 宝珠の肩

1124分 御前坂

1142分 飯豊本山登頂

 

昼寝

 

1218分 下山開始

142  宝珠の肩

1532分 千本峰

1637分 長坂清水

1738分 吊り橋

1822分 温身平終点

 

登り7時間30

下り6時間

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スタート

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暗闇の桧山沢吊り橋

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朝陽が眩しい

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美味しそうなきのこ。採った跡が無いってことは毒きのこ?

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休場の峰からの眺望

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千本峰と宝珠山

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オヤマリンドウ

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宝珠の肩

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奥が本山山頂

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宝珠山を振り返る

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御前坂  山頂の標柱が見えます

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ガンコウラン  甘い実は貴重なエネルギー源

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登頂!!  結構ヘロヘロ

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万年雪と大日岳

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本山小屋

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登って来たダイグラ尾根

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薄暗くなって吊り橋に到着

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終点、すでに真っ暗です

ヘッポコ登山記録